見落とし。

先日、いつもの様に特別養護老人ホームにバイトに行った。

そこに認知症の男性がいるのだが、認知症が進んでしまって食事を摂るのも大変な感じの人。

その人が、食事が摂れてないと介護から相談があった。

少量で栄養価の高いものを用意してそれを提供したらと。

食事を摂らないということは、それなりに覚悟を決めたというか、死への階段を登り始めたんだなと思った。

もう好きにさせてあげようと。

食事も無理に食べさせなくてもいいし、無理に起こさなくてもいい。好きにさせてあげて下さいと介護に頼んだ。

昼ごはんになっても起きてこないけど、どうしたらいいと介護さんが聞いてくる。

無理に食べさせなくてもいいって言ってるじゃんと、面倒くさそうに介護さんに答える。

3時過ぎても起きてこないけど、どうしたらいいとまた介護さんが聞いてくる。

ほっとけばいいよと面倒くさそうに答える。

帰る前に一応確認する。

夜勤の介護さんと話をする。

そこでビックリ。

もう1週間ぐらい何も食べてないと。

えっ?

じゃあ、家族には連絡済んでるんですのね?

と聞くと、まだだと。

えっ?

すぐに当日のリーダにつたえる。

今晩はもちそうかな?と聞かれ、たぶん大丈夫だと答えた。

じゃあ、明日家族に伝えればいいかと。

結果、その夜に亡くなった。

もし介護さんの言葉にしっかり耳を傾けておけば食事をずっと食べてないことに気づけたかもしれない。

さらに、ちゃんと身体の様子を見れば、血圧低下や呼吸状態から夜を越すのも難しいとわかったかもしれない。

そんなのは、ただの見落とし。

幸いな事に、家族が良い人だったので、事なきに終わることができた。

でも、すごく責任を感じる。

原因は自分の怠慢。

振り返ると、最近は、慣れからなのか仕事が適当になっている。

気を引き締めて、きちんと反省し、きちんとした仕事をしなければ。